寄生虫について

分かっているとは思うが、おいらは別に専門家ではない。

しかし、魚を生食する限り最低限の寄生虫に関する知識は必要だろう・・・か?

寄生虫と言う言葉自体が俗称みたいなもんだから極力具体的に書こう。

ここで書く寄生虫はミミズみたいな感じのやつらの事が主である。

タイノエやらハダムシ等の寄生虫は対象にしない。
ここでは魚食に関連する説明のみを行います。

一般的に寄生虫は食物連鎖の中で複数の宿主を渡って成熟していく。

宿主はある程度限定される。

最終的に成虫になるべき宿主を終宿主といい、そこに行きつくまでに渡っていく宿主を中間宿主という。

渡っていく宿主の数?により、第一中間宿主とか第二中間宿主と呼ばれる。

この順番通りに渡って行かなければ成熟していかない。

なかなかシビアだね。

成虫になる確率は非常に小さいように感じる。

少しでも確率を上げる為、”待機宿主”なる存在もある。

寄生虫の成熟には関与しないが、次の宿主に取り込まれるを待つ為の仮の宿?それが待機宿主だ。

自分たちの存在するモノを次の宿主の食物連鎖の中に増やせば、たどり着ける確率が上がる訳だね。

終宿主にたどり着けなかった寄生虫は基本的に成虫になる事は出来ない。

要するに産卵する事が出来ないのさ。

だから、体の中に複数の寄生虫がいた場合、その数だけ取り込んだ事になる。

基本的に1つの宿主の中だけで繁殖し増える事は無い。

ちなみに、一部の寄生虫を除き、本来の宿主にいる限りそんなに悪さをしない。

そりゃ自分の棲家を攻撃してどうするって事だもんね。

悪さ?をする時は本来の宿主以外に入り込んだ時。

これを迷入と言う。

この時、居心地が悪いのか悪影響を及ぼす事が多い。

人体に侵入してきた場合、多くはこの迷入って事になる・・のか?

さて、何からいきましょうかね。

 

アニサキス

アニサキスは特定の種を指している訳では無く、アニサキス科アニサキス属に属する線虫の総称。

よくTV番組でも登場する寄生虫である。

終宿主はクジラやイルカらしい。

成虫のサイズは20~30cmくらいあるという。

様々に記述があり、どれが正しいのか?疑問が多い。

回遊魚を中心に内臓によく見られる?寄生虫である。

サバなどを解体してると見れる時がある。

個人的経験から言えば、ほぼ内臓にいる。

書籍等では宿主の死後、筋肉中へ移動すると書かれているモノもある。

しかし、個人的には筋肉中に発見した事は無い。

そして、感染した事は無い・・・・いや、その症状が出た事はない。

アニサキスは目視で確認できるからいいね。

だって、見れば分かるんだから。

アニサキス症の症状は激しい腹痛らしい。

なにせ、おいらは経験が無いのでその痛みを伝える事は出来ない。

だが、アニサキスは人間の体の中で長期間生存する事は出来ない。

長くて2週間程度・・・らしい。

言い方を変えれば、基本的に命に別状は無い。

書き忘れたが、魚の調理中に発見されるアニサキスのサイズは1~3cmくらいだろうか?

アニサキスに対する対策は加熱調理するか、冷凍する事だそうな。

冷凍って言っても、-20℃で24時間以上らしい。

ちなみに、日本の冷凍冷蔵庫の冷凍庫内の温度は-18℃~-20℃。

一体どうやって-20℃キープを実現すれば良いのか?

分かんない。

同じような仲間にシュードテラノーバってのも居るが・・・同じようなもんだ。

ここでは省略。

アニサキスと同様と思ってもらおう。

 

横川吸虫

多くみられる記述としては、アユやシラウオである。

他にも複数の淡水魚に寄生がみられるそうな。

終宿主は何と?人間も含まれる。

魚への寄生部位としてはウロコの下とのこと。

成虫の体長は1~1.5mm程度。

基本、生食からの感染である事は言うまでもない。

しかし、魚のウロコの下への寄生とは言っても、調理過程で他の部位へ付着する可能性がある。

ただ、終宿主に人間も含まれているせいか?感染しても大した影響は無いようだ。

感染部位は成虫は腸管。

感染後の症状は多数寄生で腹痛、下痢、粘血便。

人間の体内での寿命は長くて3年程度。

本によっては寿命は6ヶ月程度との記載もある。

 

有害異形吸虫

あまり詳細な記述が見当たらない。

しかし、ボラが大好きなおいらは昔からこの寄生虫の存在を知っている。

なぜなら、有害異形吸虫の宿主にボラの存在があるからだ。

この寄生虫は横川吸虫と同様?な扱いのようだが、宿主に記されている魚は汽水域に生息する魚である。

ボラ、メナダ、マハゼが宿主として記されている魚種だ。

その魚のどこに寄生されているかの記載は見当たらない。

横川吸虫と同様だとすればウロコの下という事になる。

人の体内で成虫となり、そのサイズは1.0~1.7mmらしい。

人の体内で成虫となるという事は、終宿主には人間が含まれるという事になる。

感染後の症状は多数寄生で腹痛、下痢、粘血便。

脅し文句としては・・・
「虫卵がリ ンパ流、血流にのり臓器に入って栓塞を起こす場合がある。心筋や心臓弁膜が栓塞した場合は、心臓の異常を引き起こす。」なる記載もある。

横川吸虫も同様な気がするが、横川吸虫の説明の記述の中には見当たらない。

性格が異なるのかも知れない。

長年ボラを生食してきたが、今の所感染は無い・・・か?

気づいてないだけかもしれませんが。

 

顎口虫

おいが恐れる寄生虫の1つ、それが顎口虫。

淡水魚に寄生する。

顎口虫は複数の種類が知られているが、一緒クタに語られる事が多い。

顎口虫の終宿主はネコ、イヌ、ブタ、イノシシ、イタチなど。

ヒトは中間宿主あるいは待機宿主という位置づけらしい。

感染すれば、長年にわたり体内を這いまわり、脳に行ったら・・・終わり・・・か?

皮膚爬行症や限局性で遊走性の皮膚腫脹を引き起こす

根本的治療は摘出しか無いが、能動的に動くため難しいらしい。

確実な治療法がないので、予防が大切!

中間宿主あるいは待機宿主には淡水魚が含まれている。

だから、海水魚しか調理しない人には関係ありませぬ。

淡水魚の生食は非常にデンジャラス。

水がきれいな場所で釣れたから大丈夫などと言う人がいると聞くが、間違っている。

絶対に間違っている。

寄生虫は食物連鎖の中に存在するのだ。

”熊本県にすむカムルチイに寄生する顎口中の調査”では全て筋肉中に存在したと記されている・・・と思ふ。
The muscle was the part the parasite lived in all cases.

 

有棘顎口虫

基本的に終宿主にたどり着か無ければ成虫になれないハズだが、有棘顎口虫ではヒトの体内で幼若成虫にまで発育した症例があるらしい。

「1985 年の雷魚の調査では、28 尾虫1尾から検出された。」という記述を見た、しかし28尾ではサンプルが少ない気がするね。

これより寄生率の高い地域もあるだろうし、逆に低い地域もあるかも知れない。

だが、あくまで確率の話なので確実に寄生していない個体を選別する事は出来ない。

ライギョの他、フナ、ニワトリ、ヘビなど 30 種を超える中間宿主や待機宿主がいる。

ライギョは待機宿主のようだ。

 

剛棘顎口虫

中国、台湾から輸入されたドジョウが原因であり、国内で生活環が営まれているわけではない。

日本では 1980年頃より中国から輸入されたドジョウを生食し 100 名以上の患者が発生。

1980 年代のドジョウの調査では、2.9-10%の感染率であったが、1991 年の調査でも平均 11%あったという。

ドジョウは第二中間宿主と思われる。

もし、この剛棘顎口虫が日本国内の環境に適応したら繁殖できるようになるかも知れない?

もし、この輸入ドジョウが逃げ出し、剛棘顎口虫に必用な中間宿主や終宿主が日本国内の生物で代用出来ればあり得るか?

そんな事を考える今日この頃・・・・

 

日本顎口虫

ドジョウ、ナマズ、コイ、ヒメマスなどの生食による。ブラックバスによる感染も報告されている。

国内のヒトへの感染源としては、ブラックバス、ドジョウ、ナマズ、コイ、ヒメマス、シラウオなどが知られている。

これらは第二中間宿主と思われる。

1992年7月~1995年12月に青森県東部地域で集められた18種の淡水魚総計44, 724尾について, 日本顎口虫の幼虫寄生を検索し、ドジョウ, ナマズ, ウキゴリ, ヤマメおよびウグイの5魚種から, 第3後期幼虫計322虫体を検出したそうだ。

ナマズの生食はココで引っ掛かる訳だね。でも、有棘顎口虫の宿主としてもナマズの記述のあるものもある。

はっきりしないな。

どっちも可能性があるって事でいいのか?

 

ドロレス顎口虫

渓流魚などの淡水魚、まむし。

渓流魚は待機宿主らしい。

国内のイノシシの寄生率は高く、1950 年代の調査において寄生率の高い場所では 90%を超えていたそうだ。

ここでは渓流魚も登場している。

時折、ネット上で渓流魚の生食なども登場するが、顎口虫等の寄生虫の存在を分かっていて行っているのだろうか?

「こんなに水がキレイなんだから寄生虫なんて居ないよぉ~」

そんなリクツはありませぬ。

 

肺吸虫

肺ジストマと言ったりしますね?ね?

読んで字のまま、肺に寄生する寄生虫です。

感染源は淡水産のカニやザリガニ等の生食。

サワガニやモクズガニが代表選手だね。

正確に言えば、モクズガニは海で産卵してるから純粋な淡水産のカニではない。

どうでもいい?

他に、ジビエ的な畜肉の生食も感染原因の一つ。

治療は投薬によるものが主らしい。

プラジカンテルって名前の薬を使用。

代替薬はビチオノール。

皮膚病変,またはまれに脳内のシストを切除するために手術を要することがある。

ちなみに、プラジカンテルって薬は寄生虫の治療のお話によく登場する薬である。

 

ウェステルマン肺吸虫

2倍体個体と3倍体個体が存在するという。

2倍体個体は両性生殖を行い、3倍体個体は単為生殖のみを行う。

2 倍体はサワガニ、三倍体はモクズガニ取り付き経皮的にカニ体内に侵入するか、カニに食べられることによって取り込まれる。

これらの寄生されたカニを生食する事によってヒトに感染し、最終的に肺に侵入して成虫となる。

ヒトの体内で成虫になるって事はヒトは終宿主中の一つって事になるね。

症状としては、自然気胸、胸水貯留、胸痛などが主な症状であることが多いそうだ。

自然気胸とは、肺に穴が空いて空気が漏れ肺の中の空洞に空気が溜まっている状態。

胸水貯留は肺に水が溜まる症状。

胸痛は・・・書くまでも無い?

自覚症状は肺結核に非常に似ているという。

肺に寄生された場合はさすがに終宿主だけあって死ぬような事は無いらしいが、脳に侵入した場合は最悪死に至る事もあるらしい。

過去に市販の食用サワガニが検査され、検体の約 20%がウェステルマン肺吸虫とあるいは宮崎肺吸虫に汚染されていることが証明されているそうだ。

1/5のカニには肺吸虫が寄生している訳だ。

基本的に生食しないであろうこれらの淡水のカニでどーやってヒトに感染するのか?

まず、飲食店等で飾りで付いてた生のサワガニを酔っぱらってたので喰っちゃった・・・ってのがあるらしい。

それ以外では恐らく調理過程で意図せず経口摂取してしまった?

モクズガニなどはズガニ汁とか言って、粉々になるまで潰して調理する過程がある。

その際に飛び散ったり、器具に付着したモノに含まれている可能性があるって事。

ズガニ汁に限らす、調理する際は注意して行おう。

イノシシ肉からの感染も多いそうだ。

ジビエ的な畜肉の生食は厳禁だぞ。

これは肺吸虫に限らずですぞ。

 

宮崎肺吸虫

名前を見た時は九州の宮崎県周辺に生息する肺吸虫なのか・・・・

と、思ったが違った。

発見者が”宮崎一郎さん”だからなんだそうな。

この宮崎肺吸虫は日本にのみ生息している。

宮崎肺吸虫の感染原因は主にサワガニの生食という。

でも、サワガニって生食するか?

とも思うが、外国人が故郷の調理法を真似て日本のサワガニを生食して感染する事例があるようだ。

ウェステルマン肺吸虫の中で書くの忘れてたね。

ま、話がかぶるからいっか?

もはや日本人がサワガニを生食する事はありえないだろう。

しいて言えば、知識の無い〇ホがいきがって喰うくらいだろか?

ヒトに入った宮崎肺吸虫は成虫になれない。

なぜならば、ヒトは終宿主では無いからだ。

よって、ウェステルマン肺吸虫とは引き起こす症状が異なる。

肺周辺にたどり着いた宮崎肺吸虫は胸腔と胸壁を移行する為、肋膜が傷ついて炎症を起こす。

また、胸膜腔内にガスが溜まって激しい痛みや呼吸困難を引き起こす。

脳に進入した場合はウェステルマン肺吸虫の時と同様と思われる。

思われる・・・・

だって、ほぼ肺吸虫のお話はウェステルマン肺吸虫と一緒くたに書かれているんですもの。

 

肝吸虫

この肝吸虫も肝ジストマとか呼ばれてましたよね?ね?

ヒトは終宿主の1つであり、寄生部位は肝臓の胆管あるいは胆嚢である。

淡水魚の生食が主な感染原因である。

第一中間宿主がマメタニシで、そこでセルカリアとなりマメタニシから泳ぎだす。

活発に遊泳するそうな。

これが、淡水魚のウロコの間から体内へ侵入しその筋肉内で次のステージであるメタセリカリアとなる。

この淡水魚が第二中間宿主となる。

第二中間宿主の淡水魚を生食する事で感染するのである。

ちなみに、コイの生食、刺身や洗いが代表的ですが、養殖されたコイは寄生虫の心配は無いとかの記述を時折目にする。

果たしてそうなのだろうか?

昔、コイヘルペスが大流行した時に各地の養殖場の様子がTV等で放映された。

おいらが憶えているのは霞ケ浦での養殖。

湖の一部に養殖用の網を張ってそこで養殖を行う。

霞ケ浦にマメタニシは生息していないのだろうか?

残念ながら生息する。

そして、その養殖環境を見る限りでは肝吸虫のセルカリアの侵入を阻止できない。

一方で、マメタニシは環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類となっている。

そう、第一中間宿主であるマメタニシは絶滅危惧種なのである。

生息数は少ないと思われる。

この事から考えると、感染個体数は非常に少ないと言えるかも知れない。

そして、肝吸虫は小型の淡水魚の方が感染率が高い。

コイのような大型の淡水魚は感染率が低い。

だからと言って、感染個体が0%な訳でもなかろう。

と、いう事で養殖のコイだから生食しても大丈夫って事はありませぬ。

確率が低いだけで感染リスクがある事を承知の上で食しましょう。

なんたって、肝吸虫のセルカリアは活発に遊泳するのですから。

そして、第2中間宿主内ではメタセルカリアとなりその長径は0.135〜0.145mmという。

筋肉内にそんなモノが入っていても、目視では確認できないし洗いにすれば大丈夫ってもんでも無い。

提供側は大丈夫って言うに決まっています。

「どうしてあなたはそんな事言うの!」っていつも言われますが、事実だから仕方ない。

おいらの事を「どうしてあなたはそんな事言うの!」呼ばわりする人はどんぞ感染してください。

寄生部位(肝臓の胆管あるいは胆嚢)で成虫は20年以上生息することがあり,最大で体長約10~25mm,体幅3~5mmまで成長する。

なかなか長生きな生物だね。

少数寄生では通常,無症状なんだそうな。

さすがは終宿主。

「急性期には,感染量が多いと,発熱,悪寒,心窩部痛,圧痛を伴う肝腫大,軽度の黄疸,および好酸球増多が起こりうる。」

やはり多数寄生だと影響が出るみたいね。多数寄生になる要因は何度も肝吸虫のメタセルカリアを食す事だ。旨いからって何度も何度もコイ等を生で喰うと多数寄生状態になる可能性が上がる。

「後に下痢が生じることがある。多数寄生で生じる慢性胆管炎から,肝実質の萎縮,門脈線維症,および肝硬変に進行することがある。」

かなり症状が重いね。

「多量の吸虫が胆道系を閉塞すると,黄疸が生じうる。その他の合併症には,化膿性胆管炎,胆石症,膵炎,および疾患後期の胆管癌などがある。」

最後はガンになる可能性を秘めている・・・・

治療はプラジカンテルまたはアルベンダゾールの投与だそうな。

でも、肝硬変とか胆管ガンには効かないよね。

そうなったら、別途治療が必要だろうね。

気軽に生食するもんでねえ。

 

ニベリニア

恐らく、スルメイカ捌く時にほぼ付いているアレ。

大きさは米粒大で色合いは乳白色、スルメイカでは内側の筋肉の表面や皮の下にいる。

基本的に目視できるので、取り除くだけの事。

万が一、ヒトの体内に入っても影響は無い・・・らしい。

書籍によっては、たまに口内にしがみつかれる事があるとか無いとか。

都市部では、こんな寄生虫がいるだけでクレームを言う客がいるらしい。

〇カか?寄生虫がいるのは当たり前だと考えなさい。

無知もいいところ。

 

テンタクラリア

大きさや色合いはニベニリアと同様な感じ?

こちらはカツオやサバに寄生しているらしい。

個人的には見たことが無い。

カツオは何度か捌きましたが、目撃しなかった。

サバなんて今まで大量に捌きましたが、見たこと無い。

回遊魚を捌いた時に米粒状の寄生虫を見たことが無いの。

なぜ見たことが無いのかはわからない。

 

日本海裂頭条虫

よく「数メートルの寄生虫が体の中に・・・」とかやってるアレ。

”サナダムシ”って呼ばれる事もあるそうな。

この寄生虫のライフサイクル的にサケ/マス(サクラマス、カラフトマス等)、を経由して人体に入る。

成虫の全長 は5~10mなのだとか。

感染しても無症状が多く、症状が出ても腹痛や下痢程度だそう。

無論、生食しなければ感染も何もありませぬ。

終宿主は不明と書かれた書籍もあるが、終宿主にはヒトも含まれるとの記述のある資料もある。

感染者の糞便から虫卵が見つかる事からすれば、ヒトも終宿主であろうと思う。

ちなみに、彼らは消化管内に寄生し体表から腸管内の栄養分を吸収する。

しかし、この食い物を大切にしない飽食国家日本では寄生された所で大きな影響は無いのではなかろうか?

ところで、この日本海裂頭条虫の感染源のサケ/マス(サクラマス、カラフトマス等)なんて生食できる地域って限られているような気がするが、分布は全国って記述が多い。

おかしな話だね。

でも、昨今の物流の発達によって鮮魚として広域に出回っているのが”全国的な分布”の所以らしい。

でも、それって分布っていうのか?

ちなみに、海外には日本海裂頭条虫とそっくりな広節裂頭条虫がいる。

少し性格な異なるようで、若干気性が荒いようです。

日本には生息しないので、ここでは省略。

 

ブリ糸状虫

春先にもらったブリによく付いている。

この寄生虫は筋肉中に居る。

別に人間様に感染しないし、健康上の害は無い。

が、個人的な経験上では寄生部位の肉がグズグズ・・・いや、グジュグジュになっているのだ。

寄生されたブリの全てがそうなっているかは知らない。

いくら害が無いからって、あのグジュグジュの肉片の刺身で喰おうとは思わない。

その周辺をそぎ落として食す訳だが、場合によってかなり可食部位が減るのよね。

そういった意味からすれば、著しく商品価値を下げてしまうのが難点。

 

旋尾線虫

旋尾線虫の話でよく登場するのはホタルイカの生食。

そう、あの富山湾の名物ホタルイカ。

全てのホタルイカに寄生している訳ではあるまいが、生食は危険である。

NIID国立感染症研究所の当該ページには下記のように記載がある。

「本種幼虫は、腸管壁への侵入移行のみならず、腹、背、腰部の皮膚組織内への移行を引き起こす点で軽 視できない危険な寄生虫であると考えられる。」

旋尾線虫には複数のタイプがあるらしい。

ホタルイカ等に寄生しているのは、typeX (タイプ10)なのだそう。

現在、厚生省では生食用のホタルイカの取り扱いと販売に関して、「−30 ℃で4日間以上、もしくはそれと同等の殺虫能力を有する条件で凍結すること」また、「内臓を除去すること、又は、製品にその旨表示を行うこと。」「生食用以外の場合は、加熱処理を行うこと。」と、なっている。

しかし、どこまで徹底できているのだろう?

そこが問題だ。

そんな事を言うと、「あなたはどうしてそんな事を言うの?生産者に失礼でしょ!」などと言われるが、自分の身は自分で守るしかない訳で、人の忠告を失礼呼ばわりする人はどんぞ感染くださいませ。

そして、知識の無いヤツが現地でそのまま喰っちゃったりするんだろうね、”新鮮だから大丈夫”とか言いながら。

感染した場合の症状は、主に腸閉塞を含む急性腹症、あるいは皮膚爬行症などだそうな。

で、治療法は?

「治療法としては、皮膚爬行症の場合は虫体の摘出、急性腹症の場合は対症療法が行われている。」

対症療法じゃ根本解決じゃないよね、虫体の摘出の難易度の記載も無いし人体内での寿命?も記載が無い。

ああ、中途半端だ。

プラジカンテルの投薬治療の記載も無い。

もしかして治療困難なのか?

 

クドア

クドアは、魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫。

その生態は、よく判っていません。

粘液胞子虫は、クラゲやサンゴが所属する刺胞動物に近い後生動物というグループに属し、極囊とよばれる袋をもった胞子を多数作る。

元来、人体への影響は無いものと思われていた。

おいらもそう思っていた。

基本的に漁業被害?の問題ばかりだったのだ。

クドアは魚の筋肉中に寄生する。

そして、白っぽいシストを形成し筋肉中のそこかしこが白いブツブツだらけになるのだ。

その密度にもよるが、かなり気持ち悪いのだ。

いくらヒトには寄生しないと言っても、「じゃあ問題ないよね!」ってもぐもぐ食べる気にはならない。

当然に魚価は下がり、信用を失うかも?しれない。

ただ、食中毒やヒトへの感染とは無縁だった・・・・

が、近年、養殖ヒラメの生食でクドアが原因による食中毒が発生している。

クドアにも色々ある訳で、この養殖ヒラメによる食中毒の原因はKudoa septempunctata(クドア・セプテンプンクタータ)。

名前長い。

養殖環境下において、使用する海水を経由して感染するらしい。

そして、その感染海域には偏りがあるそうな。

このKudoa septempunctataに感染したヒラメを喫食後、数時間程度(約2時間~20時間)で一過性の下痢・嘔吐を発症するという。

多数感染したモノを生食すると発症すると思われます。

でも症状は軽微らしく、発症後24時間以内に回復し後遺症もないとの事だ。

おいら自身は感染した事が無いので、体験を語る事は出来ませぬ。

気づいていないだけかもしんない。

ちなみに、”マイナス20℃で4時間以上の冷凍、又は75℃5分以上の加熱で食中毒を防ぐことができます。”って記述があった。

鮮度の良いヒラメを生食する事が幸せなのに、意味不明な予防方法だ。

ついでに書くと、養殖に使用する海水を砂ろ過やUV処理を行う事によってKudoa septempunctataの養殖ヒラメへの感染は防げるらしい。

最近、クドアで検索してもこのKudoa septempunctataばかり上位表示されてつまらん。

個人的な体験では、東京湾で釣ったスズキにクドアのシストが見られた。

長い?人生で遭遇したのはその1回だけ。

ん?そのスズキはどうしたのかって?

つまようじの先で白いツブツブを取り除いて刺身で喰いました。

問題なっし。