喰っちゃあいかんのか? へようこそ!
今日の食材は 「タイリクスズキ」です。
タイリクスズキはスズキ目スズキ科の魚・・か?
タイリクスズキは根本的に養殖魚として輸入されたもの。
日本にもスズキがいるのになぜわざわざ海外から調達したのか?
それは、成長が早いから。
日本の魚は成長の遅いものが多いらしい。
中国方面の魚は同じような魚でも成長が早いそうな。
他に養殖イサキも実はあちら産が親魚だったり?
それが、何らかの要因で日本の海に放たれた。
本来、外国もんの遺伝子の魚を日本の海域に放ってはいかん。
が、平気でやる業者もいる。
目先の金の為にね。
今回の獲物は高知県西部の松田川がらみの場所で釣獲したもの。
この松田川で釣れるスズキの多くはタイリクスズキ。
ヒラスズキは別として、釣れるスズキはほぼタイリクスズキ。
稀に普通のスズキが釣れる。
おいらは、いつものポイントで竿を出したのら。
ここは、とっても狭い場所。
とある水門の出口。
そこかしこで何度も書いたから何人かは良い思いをした人もいるだろう。
居れば数発で喰って来ます。
ほんのちょっとした条件がありますが。
その日は当たりだった。
70cmくらいのタイリクスズキが3本釣れた。
やったぁ~。
ここで釣れるタイリクスズキは訳ありも多い。
片目だったり、少し変形だったり。
養殖過程では、網で目がこすれてキズが入ったり、仔稚魚期にストレス等で変形になったり色んな個体が発生する。
業者は時折、選別を行いこれらの魚を取り除く。
本来、この取り除かれた魚は適正に廃棄されなければならない。
しかし、”そんなのしらねぇ~”
って感じで海に捨てる業者がいるとかいないとか。
この放たれた訳あり個体達は必死になって生きようとする。
変形の内容によっては、捕食が出来ず死んでしまう個体もいるだろう。
しかし、そんなハンデを負ってもたくましく成長する個体も存在する。
そんなタイリクスズキは正常な魚たちよりよりシビアにエサの捕食しやすい場所へ集まるに違いない。
それが、この水門なんだと思う。
今回のお腹の中はコレ。
基本的に、手長エビやマハゼが多いね。
他にカニとか。
変形個体であっても、その事情が分かれば喰っても問題ない事は分かる。
大阪湾奥やら、東京湾奥は知らんよ。
さて、それでは捌いていきましょう!
シンクに転がるタイリクスズキ。
ほら、下あご割れてる。
まずはウロコを落とそう。
頭を落として、内臓を抜きます。
大きな浮き袋ですな。
こんなに大きかったっけ?
で、お腹の中を含めよく洗います。
ふぅ~サッパリしましたね。
3枚におろしていこう。
腹骨をすき取り・・・・
皮を引きます。
体側の骨を除き、サク取り完了。
適当に切り付ければ完成!
釣獲後、4時間ってところさ。
現在の時刻は・・・3:40じゃ。
夕方じゃないぞ!!
あああ、そこまでして刺身喰うのか?
そう、魚食は戦いなのら。
時間の経過と共に状態は刻々と変化していく。
その時の状態のモノを喰いたければ、そこで調理するしかないのら。
他にも2本あるから、1本はすぐに喰いたかったのよね。
それだけの事。
さあ、早速頂きましょう!
もんぐもんぐ・・・もんぐ・・・・
はあ、おいちい。
脂は乗ってないが、食感と淡い風味が心地よい。
寝かした方がと連呼する人も多いが、おいらはそれぞれを楽しむのさ。
どれが一番なんて決める必要もない。
洗いなんていう手法はどうなの?
超鮮度の良い魚をさらに水や湯で洗うんだよ?
評論家さん的に味の無い高鮮度の魚。
さらに水にくぐらせるのよ、水溶性の物質は当然に溶出し、脂も少なくなる。
評論家さん的にはカスみたいな喰いものじゃない?
クソ不味くて喰えないって事になるのでは?
しかし、料亭等でも季節に応じて洗いを供する店も多いのではないか?
おかしな事だねぇ。
評論家の意見と正反対の料理がお客に供される。
お客さんも、それなりの料金を払って注文する。
そこには、ちゃんと需要と供給が存在する。
魚の状態に応じ、もしくはそれが為にその状態の魚を調達し調理を行う。
なんて繊細なんだろう。
魚の状態までも把握し、調理を行う民族は日本人以外にもいるのだろうか?
日本に生まれて良かった。
日本の魚の調理技術は誇りに思う。
評論家さんは誇りに思えないけどね。
日本料理はシンプルに見えるが、その素材の状態まで考慮した繊細な料理。
海外ではなかなか実現できないだろうね。
日本という国自体が魚食に対して進化してきた訳だからね。
ウキッ!
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